レストランで食事をする目的は?そのレストランを選んだ理由は?

はっきりと答えられない問いかもしれない。ネット検索で引っかかったから? AI が勧めてくれたから?星付きだから?評判が良いから?SNS でフィードされたから?有名シェフだから?

自分自身の経験をベースに友人に自信を持ってお勧めしたいレストランは?と聞かれた時、即座にすぐにレストラン名を出せる人は、きっとそのレストランで幸せな体験をしたのだと思う。

個人的に、そんな思いができたレストランの一つが、フランス、ノルマンディの首都である、ルーアン (Rouen) という街にある、Le Couronne という名のレストラン。 https://www.lacouronne-rouen.co.uk

バケーションシーズンのピーク時に、フランス語とフランス史を勉学中の少女(つまり我が娘)の学業の都合で、フランスノルマンディーの首都、ルーアン (Rouen) という街を訪ねた。旅行の目的が、娘の学業のリサーチのためであったため、レストランなどは、どこも予約しておらず(調べる時間もなく)あえて予約していなかった。ある夜、ふらりとダメもとで入ってみたいかにも伝統的(けれども、どこかしら庶民的で敷居は高くない)フレンチレストラン。きっと、テーブルはないだろうなぁと半ば諦めてはいたものの、フランス語を勉強中の少女のカタコトフランス語の頑張りのおかげで??なんとか、レストランのオーナーらしきマダムがテーブルへ通してくれました!(これで好感度爆上がり!)

テーブルに通された瞬間から、それはそれは素晴らしいサービス!そして、サーブをしてくださる全てのスタッフの方々のノルマンディの伝統郷土料理、特産物などに対する、自信に満ちた誇りと自尊心のオーラでこちらが勝手に幸せな気分に・・・押し付けなどでは全くなく、お客様それぞれが何を求めているのかをすぐに察知した上でのメニューの説明。そのお料理をぜひ頂いてみたい!と心の底から思える。ワインも然り。フランスでは、最近はフルコースは正直辛い。胃袋のサイズが足りない・・・けれど、気づけば楽しく、フルコース、チーズの後のデザートまでしっかり完食!もちろん、チーズはノルマンディのチーズ、ポンレヴェックとヌーシャテルをセレクト。この地は、ヌーシャテルの産地。この地にくれば、ヌーシャテルにも色々とあることが分かる。きっとこの地でしかいただけないであろう、黒くなるまで、熟成した白カビチーズのヌーシャテルの味わい、そして、この地が誇るカルヴァドスのスフレ、最高でした。


美味しく、楽しく完食し切った自分にも驚きなのでした。一連の食事中、娘がフランス語を勉強中であるということを知り、ずっと折を見ては、あえて娘にフランス語で色々と話しかけてくださる、徹底したサービス心。お会計の際に、ホロ酔いになっている母の私に向かって英語で、「お嬢さんのフランス語は素晴らしいわ!こんなに会話ができるなんて。将来有望ですねーー」とオーナーマダム。お世辞であることは百も承知だとしても、こちらは、ホロ酔いの良い気分。チップも弾んじゃいますよね。このWin Win的なサービス。素晴らしい!!

そして、なんと!!このレストランは、フランスで一番古いレストランであり、かのジュリア・チャイルドはこのレストラン、La Couronne での体験がきっかけとなり、フランス料理を学び、フランス料理をアメリカの一般家庭に広めたという。そんな史実を知った上で、このレストランを予約して、その評判を目当てに訪れていたら・・・同じ幸せな気分になれたであろうか?とふと思わずにはいられない・・・

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家庭で作るチーズ