家庭で作るチーズ
Academy of Cheese Level 2 の一コマ、そして初夏恒例ワークショップサンモッツァ チーズ作り。ここ数年、オンラインで開講のみでしたが、2025年より対面ワークショップへ切り替え。せっかくなので、モッツァレラ風チーズ、2種を作ってみました。
モッツァレラ風のチーズには様々な製造法があります。違いは、ミルクをどのような方法で凝乳させるか?
通称「カード」と呼ばれる、凝乳(ミルクを固めたもの)に熱をかけて練って、丸めて、引きちぎって・・・とすれば、モッツァレラ風のチーズはできます。必要なのは、ミルクの性質の違いや、チーズ製造の原理の基礎知識。
チーズの科学の基礎として、二通りの全く違うやり方で実験
まずは、日本、熊本の酪農母さんが生み出したサンモッツァ*
南米で言うところの ケソブランコ様のものを作り、お酢の酸の力でミルクを凝乳させ、それに熱を加えて、練って、丸める。お酢を使うので、さっぱりとした味わい。まさに、冷奴の代替。日本のいわゆる薬味と呼ばれるものと味わいの相性が非常によく、海外在住の日本人には実に嬉しいアイテム。
ヒートウェーブと言われる熱波に襲われている最中に、日本の薬味はいっそう美味しい。
ちょうど、自家栽培の紫蘇が収穫期に入る頃。自家栽培紫蘇をたっぷりいただけるのも嬉しいものです。
お豆腐は、英語でbean curd 、凝乳は milk curdどちらもカード。結局、似たようなものなんですよね。文化的には洋の東西が違うだけ?
そしてあとひとつは、ヨーロッパでのチーズ作りの王道で、ミルクの酸度をちょっと上げ、レンネットと呼ばれる凝乳酵素(お豆腐の世界ではニガリに同等)を使って凝乳し、それに熱を加えて錬る方法。ヨーロッパでは、通称、#クイックモッツァレラ と呼ばれるやり方。こちらは、仕上がりチーズが少し甘くなり、イギリス産の夏のジャージーミルクなどを使うと、まったりとしたコクがあり、まさに、私たちが想像する ザ・モッツアレラ。自分で作ると作り立てをいただけるというのが嬉しい。楽しみ方もやはりヨーロッパ風の王道で自然といわゆるカプレーゼ風に
ちょっと甘く、コクのあるクイックモッツアレラは、やはり洋風で楽しみたい
ヒートウェーブという熱波に襲われているヨーロッパ
とにかく、暑い!!基本エアコン無しの生活。こんな環境で生活しているヨーロッパ在住日本人にとって、さっぱりとした味わいのサンモッツァを冷や奴風にいただくのが一番嬉しいかも?という結論。
どちらも、ちょっとしたミルクの知識があれば一般家庭のキッチンで簡単にできてしまいます。その手軽さに皆さん驚かれますが、基本、チーズ、特にフレッシュ系のチーズは、ヨーロッパでは昔は一般家庭で普通に作られていたもの。忘れられてしまった日常生活の知恵?
カタカナで「カッテージチーズ」は、英語にするとCottage Cheese。Cottage とは、田舎の小さな家という意味。つまり Cottage Cheeseは家のチーズ。
暑い夏、海外生活の中で、冷奴が恋しくなる日本人ならぜひ、作ってみてほしい、サンモッツァチーズ
日本の薬味の美味しさを輝かせる、日本生まれのチーズ。
サンモッツァ、オンラインワークショップにご興味がある方、ぜひ、こちらよりお問い合わせください。
(一般的に流通しているミルクの種類の関係上、在英の方限定となること、ご了承ください)
*「サンモッツァ」はNPOスローライフミルク協会により、商標登録されているチーズ名であり、Culture & Culture は、スローミルクライフ協会登録会員です