Hot Cross Buns or Tea Cake?
キリストの降誕を祝うものがクリスマスで、十字架に磔にされたキリストの死からの復活を祝うのがイースター。春分の日の後の最初の満月後の日曜日がキリストが復活したとされるイースターサンデーとなるため、毎年、日にちは変わります。そして、その二日前の金曜日が、Good Friday (元々は、God’s Friday) 。イースターサンデーの翌日である月曜日も祝日となり、学校の春休みもこれに合わせて決められるので、国全体がホリデーシーズン!キリスト教徒でなくとも、春の訪れと生命の誕生を祝う嬉しい時期でもあります。やっと、やっと、暗い冬、暗黒期から脱出。自分自身も復活するような気分になるから不思議なものです。
イースターの時期、特にGood Friday の日に食されるのがホットクロスバンズ。イースターシーズンは、スーパーやパン屋さん、そして時にはチーズ屋さんにもホットクロスバンズ! その名の通り、丸いパンに十字のクロスマーク。この十字マークは、アングロ・サクソン期の慣わしに由来するとも言われているので、その歴史は想像以上に古いようです。
さて、この聖なるホットクロスバンズ、イギリスの国民食である、ティーケーキとは何が違う??イギリスで、自分でパンを焼くようになると、疑問に思うものです。パン作りの会の中でのティーケーキの会では必ず出る質問。
答えは・・・ほぼ同じ!大きな違いは、クロスマークと艶出しのグレイズ。ホットクロスバンはジャムやハチミツシロップなどでグレイズ。クロスマークにも甘味がある場合が多いので、ホットクロスバンの方がリッチで甘い味わい。
チーズの世界を見るとよく分かるように、イギリスはそもそもヨーロッパ大陸の伝統農産物にあるような生産仕様という縛りにあまり拘らない文化。みんな自由奔放!フランスなどは、伝統的なパンにも生産仕様規制があるようですが、イギリスはパンの世界となるとそれは皆無。というわけで、国民食であるティーケーキも、伝統食であり聖なる食べ物、ホットクロスバンズも、色々なレシピ、各家庭の作り方、ベイカリーのオリジナルレシピというものがあります。パンの専門書のレシピを探ってみても、みんなそれぞれに微妙に違い、さらにはホットクロスバンズとティーケーキは相互互換性もあるようです。
色々なレシピを調べてみて、受けた印象は、ホットクロスバンズには卵とミルクの分量が多く、ティーケーキはその名の通り、紅茶を使う人が多い(私も含めて・・・)。イースターといえば、生命の誕生を象徴する卵。そのせいか?ホットクロスバンズのレシピには確実に卵が使われるけれども、ティーケーキの場合はまちまちで、卵を使わないレシピも多いようです。
Culture & Culture のレシピだと、ホットクロスバンズの水分は卵と牛乳のみ。ティーケーキは、紅茶と牛乳の半々。結果的に、ホットクロスバンズの方が全体的にリッチな味わい。ホットクロスバンズは、クロスとグレイズという最後の一手間、二手間がかかるせいか、結局、イースター時、特にグッドフライデーの日、年に一度だけ作るのがホットクロスバンズ。ホットクロスバンズをグッドフライデーの日に食べると、その年は無病息災でいられるという言い伝えもあるとか?ホットクロスバンズでハッピーイースター!
チーズとパンでアフタヌーンティー
ティーケーキもホットクロスバンズもミルクティー、そしてイギリスチーズ(特にクランブリー系)とよく合うから不思議なものです。What grows together, goes together!